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Amazon.co.jp 売れっ子プロデューサーがMC、ヴォーカリスト、その他もろもろとしても一流でありたいと密かに願うケースは多い。
見事その願いを実現できた例は実のところほとんどないのだが、ファレル・ウィリアムズには黙っていよう。
チャド・ヒューゴと共に2人組のプロダクション・チーム、ネプチューンズとして活動しているファレルは、新世紀のビルボード・チャートのトップを飾った作品を多数プロデュースしてきた。
ブリトニー・スピアーズ、ジャスティン・ティンバーレイク、ジャネット・ジャクソン、ジェイ・Z、ネリーといった名前を挙げておけば充分だろう。
ネプチューンズでの成功のお陰で、ファレルは好き勝手をやれる身分になったのだ。
ありがたいことである。
とはいえ、この『Clones』を聴けば分かるとおり、ネプチューンズの手法が鳴りをひそめることは当分なさそうだ。
ムダのないパーカッシヴなメロディーをもつバスタ・ライムズの尻賛歌「Light Your A** on Fire」と、ヒップ・ホップ界の道化師ダート・マクガート（またの名をオール・ダーティ・バスタード）をフィーチャーしたミニマリズム的な「Pop Sh*t」を例外として、このコレクションは全編メタリックなドラム・サウンドとノイジーなコーラスで占められている。
「Frontin」（ジェイ・Zが参加）を聴いて、ファレルが本当にまともに歌うことができないのか気にするリスナーはいないだろう。
クリスプなど、お世辞にもクールなMCとは呼べないのに、「Hot Damn」での彼らは圧倒的だ。
なぜか？ ネプチューンズは平凡なMCを輝かせることができるからだ。
このことをよく頭に入れておくといい。
ネプチューンズのダンス・ビートに抵抗してもムダなのだから。
（Dalton Higgins， Amazon.com）