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「人とうまくやっていけない？」「正常であるとはどういうこと？」「さあ、目を覚まして現実をみよう！」――日々の生活のなかでだれもが一度は気にし、考えたことが、目次にならんでいる。
本書はこのような日常的な疑問を出発点として、豊富な具体例によって、心理学全般をわかりやすく解説する、心理学の入門書である。
内容は6つのパートで構成されており、それぞれのパートは心理学概論、学習心理学、動機づけの心理学、アイデンティティ、臨床心理学、社会心理学とおおまかに分けることができる。
動機づけやアイデンティティに関して、まるまる1つのパートを割き、性同一性障害やセックスについての記述があるなど、アメリカ人である著者の文化背景が色濃くでているのが特徴である。
日本の心理学の概説書や入門書とは視点が異なり、読者は新鮮な印象を受けるはず。
よくこなれた日本語訳も、とても読みやすい。
入門書としても適切だが、心理学に興味を持って学び始めたものの、一般化された無味乾燥な理論ばかりで、心理学に対する面白さや切迫感を失ってしまった人にもおすすめしたい。
映画のエピソードや現実にあったことの具体例が本書には豊富に盛り込まれている本書を読むことで、心理学がいかに日常的で体験的な、生き生きとした学問であるかを再認識できる。
ただ、700ページ近くある大書なので、最初からすべてを読もうと思わずに、自分の興味ある分野から読み、その後は気になることを調べる事典として使うのにもよいだろう。
（山下聖隆）
内容（「BOOK」データベースより）
職場、地域での対人関係につまずく原因がわかる。
うつ、パニック障害、統合失調症など、精神疾患の具体的対処法から、アメリカの最新薬物療法まで教える。
他人の不幸を見てみぬ振りをする人の心理、進んで他人の犠牲になる人の心理について考えよう。
実験中止!模擬刑務所の囚人役、看守役の心理実験からみる人間の恐るべき行動を解説。

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