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Amazon.co.jp 「赤鼻のトナカイ」の歌を知らないと、このお話を理解するのはむずかしいので、まずはそこからはじめよう。
「赤い鼻をしたトナカイのルドルフは/ぴかぴかの鼻をしていました/実際に見た人は/光っている! と思うでしょう/ほかのトナカイたちはみんな/ルドルフを笑いものにしていました/かわいそうにルドルフは/いつも仲間はずれでした」お察しのとおり、「ほかのトナカイ」からこの本『Olive, the Other Reindeer』の主人公オリーブの冒険は始まるのだ。
オリーブはイヌなのに、このクリスマスソングを聞いているうちに、アイデンティティーの危機に陥ってしまう。
彼女は、自分はトナカイに違いない! と信じ込み、サンタのトナカイチームに入ることができるかどうか確かめるため、北極に向かう。
オリーブは、なんとか北極にたどり着く。
コメット(1番大きなトナカイ)は、余っていたリボンでオリーブをトナカイの引き具に結びつける。
そりが空高く舞い上がると、「オリーブは、こんなに簡単に空を飛べるなんて、と驚いた」。
(サンタのそりの下にイヌがぶらさがっている様子に、読者は思わず笑ってしまうだろう)ところがオリーブは空を飛べないし、トナカイたちは不注意から問題を起こしてしまう。
だが、彼女はイヌとしての能力を生かし、落としたフルートを拾ってきたり、クッキーの匂いをかぎあてたりしながら役に立つところを見せる。
J.オットー・シェイボールドとビビアン・ウォルシュの作品にはほかに、4冊の優れた子ども向けの本『Mr. Lunch Takes a Plane Ride』『Mr. Lunch Borrows a Canoe』『Monkey Business』『Free Lunch』がある。
Publishers Weekly誌による『Free Lunch』の評価は『Olive, the Reindeer』にもあてはまるだろう。
「シェイボールドとウォルシュは都会風のアートと入り組んだ筋書きを得意とする。
シェイボールドの画風は90年代に合ったソフトタッチのキュービズムと言える。
コンピュータによるなめらかなエアーブラシの手法で描かれる人物たちはCGを思わせるが、アシンメトリーの効果により、手描き風のぬくもりがある。
作品は楽しさ満点だ」。
たわいもない話なのに魅力的なこの本に、親も子どももきっと大満足だろう。
全年齢向け。
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2016/01/28 (Thu) 00:22:56
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2016/01/28 (Thu) 00:22:56
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